[ANA] 最低乗継時間(MCT)・空港施設利用料(PFC)は 修行の基礎知識です

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空港のサイン
Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

SFC修行には必須とも言える国際線=国内線の乗継や、当ブログで絶賛推奨中のVALUE TRANSITを含む乗継便を利用する場合、単純にA地点からB地点まで直行便で行く場合は気にもしない知識が必要になってきます。
旅程構築の際に重要な最低乗継時間と実PP単価の算出に必須な旅客施設使用料について説明します。

最低乗り継ぎ時間

聞けば当たり前ですが飛行機を乗り継ぐ場合には、到着空港で降機から次の便への搭乗まではある一定の時間が必要です。
航空の世界ではMCT(Minimum Connecting Time)と呼ばれるこの最低乗継時間は、複数の乗継を駆使してPPを貪り続けなければならないSFC修行僧にはとても重要です。

国内線VALUE TRANSIT や国内線区間を含む国際線航空券といった一連の搭乗便を一括で予約する場合、基本的に最低乗継時間を加味された便しか予約画面上の選択肢に出てこないので問題はありません。
もちろんこの場合は言うまでもなく、1便目にもし遅延が発生したとしてもANA側で振替便を手配してくれたり、場合によっては振替便が翌日になってしまう時には宿泊を手配したりと面倒を観てくれるのです(絶対とは言い切れませんが)
到着時間が遅れる事以外は心配は要りません。

注意すべき別切り航空券

ですが別切りで航空券を手配する場合は注意、というか意識が必要です。
この「別切り航空券」ですが、SFC修行僧にとっては必須スキルとなっている技で、当ブログで提案したこのルートなどもSUPER VALUE・VALUE TRANSITをそれぞれ複数の航空券を組み合わせて構築されたルートです。
なぜこんなややこしいルートを構築するのかと言えば、当然PP単価の良い路線を効率的に巡る為です。
人によっては土日完結じゃないと修行できないといった修行僧も多く、そうした先人の知恵の元、効率化・最適化されてきた歴史があります。

別切りで航空券を手配する場合、MCTを無視して航空券を予約する事はできますがその場合は航空会社にはなんの落ち度もない訳で、ただ乗り遅れて航空券が紙屑となります。
「航空券一枚位へっちゃら」と謎の太っ腹を見せつけても何の意味も無いのは自明の理であり、スケジュールの限られた中で修行を敢行する身としては、いかに効率よく好PP単価の路線を乗りまくるかというある種のオトナのゲームみたいな一面があるのですから乗り遅れは論外、トータルの修行費用が高騰するハメに陥ります。

やってはいけないノーショー

電車であれば、例えば東京駅で東海道新幹線から山手線への乗継は猛ダッシュで数分で確かに乗り継げるでしょうし、一本乗り遅れてもまた数分で次の電車が到着するのでさほど問題はありません。
ですがその逆、山手線から東海道新幹線、しかも指定席の場合はどうでしょう。
指定席は座席だけでなく乗る電車も指定するのですから厄介です。
もし乗り遅れたら次の電車の自由席に座るとかチケットの払い戻しをするとか非常に手間な事になります。

電車の場合はそれでも何とかなるものですが、飛行機の場合はそうはいきません。
飛行機の場合は全て指定席ですから、自己都合で「次の便でいいや」とはなりませんし、予約しておいて空港に現れないのはノーショーといって、航空券代全額が返ってこないのはもちろん、航空会社によってはペナルティもあったりします。
航空会社側としては意味も無く空席で運行するのは損害でしかありません(これに関しては電車の指定席もそうですが)ので、一部噂ですがブラックリストに載るとかも言われています。
航空会社の上級会員すなわちお得意様を目指すのですからそう言う行為は絶対に避けるべき事なのは言うまでもありません。

では私たち修行僧はどうすればいいのか。
航空会社では各空港での最低乗継時間が公表されています。

国内線⇔国内線

同一空港内

SUPER VARUEやVALUE TRANSITなどのチケットを複数組み合わせて国内修行をする場合に重要な国内線の最低乗継時間は以下の通りです。
以下の表はANAの最低乗継時間です。

空港運航会社必要時間
東京(羽田)ANA便/ADO便/SNA便35分以上
東京(羽田)SFJ便50分以上
大阪(伊丹・関西)ANA便/IBX便/SFJ便25分以上
沖縄(那覇)ANA便/SNA便/SFJ便30分以上
東京(羽田)、大阪(伊丹・関西)、沖縄(那覇)以外の空港ANA便/ADO便/SNA便/SFJ便/IBX便/ORC便20分以上

JAL便等との乗継はSFC修行に於いてあまり関係ないと思うので省きましたが、ここで注意しなければいけないのは羽田空港での乗継です。
ANAに限らずエアドゥ(ADO)・ソラシドエア(SNA)・スターフライヤー(SFJ)・アイベックスエアラインズ(IBX)・オリエンタルエアブリッジ(ORC)もSFC修行に利用可能ですし、利用機会も多いと思います。
ANA・ADO・SNA間での乗継に関しては第2ターミナル到着/出発ですので35分で済みますが、黒くてカッコいいSFJの羽田⇔北九州/福岡だけは何故か第1ターミナル出発/到着です。
SFJが含まれる乗継の場合は第1/第2ターミナル間を移動しなければいけませんので50分が設定されています。

他空港への移動を含む乗継

都市区間必要時間*1
東京羽田⇔成田180分以上
大阪伊丹⇔関西・伊丹⇔神戸・関西⇔神戸180分以上・170分以上・190分以上
九州福岡⇔北九州・福岡⇔佐賀・北九州⇔佐賀220分以上・175分以上・300分以上
山陽広島⇔岩国215分以上
札幌新千歳⇔丘珠150分以上

*1 各空港間を移動するための交通機関の所要時間を含んだ時間。

最低乗継時間は単一の空港内だけで無く、一定の区域内の空港間でも設定されます。
この場合、電車・バス・マイカーなどの地上移動時間を含めての最低乗継時間なので、遅延・事故など交通障害を充分に検討しなければいけません。

国内線⇔国際線

国際線修行の超有名ルートである沖縄(那覇)⇔東京(羽田/成田)⇔シンガポール、通称OKA-SINタッチなどの旅程では国内線⇔国際線の乗継時間をしっかり旅程に組み入れなければなりません。

空港国内線から国際線国際線から国内線
東京(成田)45分以上75分以上
東京(羽田)第2ターミナル内45分以上
第3ターミナルへ70分以上
80分以上
大阪(関西)55分以上60分以上
名古屋(中部)60分以上60分以上
羽田⇔成田*1180分以上180分以上
伊丹⇔関西*1180分以上180分以上
神戸⇔関西*1230分以上210分以上

*1 各空港間を移動するための交通機関の所要時間を含んだ時間。

搭乗手続きと保安検査だけ済ませれば搭乗ゲート前にたどり着ける国内線とは違い、国際線の場合は搭乗手続き・出入国検査・通関・検疫など多数の関門が待っていますので必要時間もより多くなっています。

ここでもまた東京(羽田)で注意が必要です。
2020年夏ダイヤから運用開始した第2ターミナルでの国際線の取り扱いが話をややこしくしています。
第2ターミナルでの国際線の運用は行先・方面等で分けられているのでは無く、ダイヤ発表事に変更する可能性があると言うので「昨年こうだったから今年も」みたいな楽観は出来ません。
予約・発券時にどちらのターミナルを使用するのかによって必要時間が変わってしまうので注意を払う必要があります。

修行僧としての振る舞い

上級会員、すなわちお得意様になろうという人間がノーショーなど絶対にやってはいけませんし、「オイラ飛行機に乗るの慣れてるから10分あればヨユー」なんて意味のない自慢をしてもANAにも周囲の利用客にも何の自慢にもなりません。無線機を持った空港スタッフに連れられ搭乗口に走らさせられている姿は滑稽極まりないのです。
スタッフに連れられる事なく、走ることなく余裕ある姿勢で乗継ぐ姿がお得意様のあるべき姿です。

ではどうするか。

MCT以上の乗継時間を確保した予約をする

最低乗継時間を下回る時間で乗継は可能ではありますし、予約も別切りでなら可能です。
次に触れる搭乗手続きとも関連する話ですが、万一到着遅延が発生した場合は何の保証(と言うか補償でしょうか)もありませんから、航空券は無となり修行行程も経由地で立ち往生することになります。
宿泊の予約も無くそこからの航空券も持ち合わせず経由地の空港で置き去りになるのは修行僧にとって地獄絵図と言わざるを得ません。

搭乗手続きは空港カウンターで

スキップサービスは朝空港到着の際にどこにも立ち寄る事なく保安検査場に向える便利なサービスです。
ですが、国際線乗継の他4区間以上の予約や同一日に同一空港を出発する複数の予約を持っている場合などは利用できません。
ですので、乗継を多用する修行僧の場合スキップサービスをそもそも利用できない事が多いので、迷わず空港カウンターで発券してもらいましょう。(自動チェックイン機も可)

羽田空港のカウンターで「沖縄(那覇)・東京(羽田)経由の秋田行きで手配いたしました〜」と搭乗券を渡されるのはなかなか恥かしく気まずい思いをするでしょうが、空港スタッフはそんな妙な乗客はいくらでも取り扱っていて慣れています。
周囲の利用客からは白い目で見られるかもしれませんが、そこは胸を張って「ありがとうございます。行ってきます」と言えなければ修行上級者にはなれません(笑)
ただし自動チェックイン機利用の場合はこの辱めは回避できます。

そして更に東京から乗った飛行機が遅延した場合、那覇空港のボーディングブリッジの先で「東京・羽田へお乗継ぎのお客様いらっしゃいますか〜」と大きな声で呼び出されます。周囲の乗客は自分たちが東京から乗ってきた事を知らないはずがないですから、これは空港カウンターでの恥ずかしさとはレベルの違う極め付けの恥辱プレイと言えます。
そしてこの辱めは逃れる術は一切ありません。

ですがそんな恥辱よりも、しっかりANA側に乗継客であることを伝えることで先程も触れた遅延時の補償等を受けられる方が重要なのです。
ボーディングブリッジの先で呼び出されるのも、次の便の出発が差し迫っているからで、それを空港スタッフが対応してくれているのです。
恥ずかしがるのではなく感謝の気持ちと言えます。

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国内線旅客施設使用料(PFC)

特に当ブログが推奨しているVALUE TRANSIT28などの利用時に小さくない影響を与えるものにPFC(Passenger Facility Charge)、日本語では国内線旅客施設使用料という料金があります。
実際に航空券を予約・購入した際には既に含まれた金額が記載されているので気付きにくくなっていますが、航空券代は運賃+PFCの合計が徴収されているのです。

SFC修行僧にとって何故このPFCが重要かと言うと、乗継を含め複数回に渡り空港を利用するのが修行僧の習性です。そしてPP単価を誰よりも気にするのも修行僧の習性と言えます。

まずは下の表、各空港のPFCを見てみましょう。

発着空港大人(満12歳以上)小人(満3歳以上満12歳未満)
新千歳空港370円180円
仙台空港290円150円
成田空港450円220円
羽田空港370円180円
静岡空港140円(2023年1月20日以降)70円(2023年1月20日以降)
中部空港440円220円
伊丹空港340円170円
関西空港440円220円
北九州空港100円50円
福岡空港110円50円
那覇空港240円120円

個々の金額を見ると微々たる金額にも見えますが、このPFCは出発時にも到着時にも徴収されますのでなかなかどうしてな金額になります。

PP単価への悪影響

一例を挙げて見ましょう。

先人の著名なブログでもよく取り上げられる修行例
普通席で東京(羽田)-沖縄(那覇)の単純往復を17回繰り返せばプラチナステータス達成
(1,476PP×2)×17=50,184PP
この場合1区間のPFCは東京(羽田)出発370円・沖縄(那覇)到着240円。片道610円(往復1,220円)。
これを17往復繰り返すとなると、20,740円がPFCの合計金額です。

1区間の運賃を10,000円で全て手配できたとします。
17往復ですから10,000円×34回で340,000円で解脱となります。その際のPP単価は340,000円÷50,000PPでPP単価6.8円となります。
平均10,000円の運賃に全34回搭乗分のPFCを加算すると360,740円
実PP単価は約7.21円となりPP単価を約0.4円悪化させます。

(50,000PPをオーバーシュートしたポイントは無視して計算しています)
これは一例に過ぎません。PFCの金額が高い空港を利用する場合はその分PP単価への負の影響も併せて大きくなると考えなければいけません。

当ブログでは、記事中「予約実例」としてANAのHPの予約画面をキャプチャーしたものはPFCを含んだ金額が表示されています。
一方で、毎月発表されるVALUE TRANSITの運賃などは発表のまま運賃を掲載しています。実際のチケット代金はPFCが加算される為、実PP単価は異なります。

乗継の場合

出発空港でも到着空港でも発生するのであれば経由地はどうなのか気になるものです。
このPFCは、実際は航空券購入時に運賃と合算されるので空港で支払う必要はありませんが、それが理屈を見えづらくしています。
そこで、PFCはボーディングブリッジを通過したら徴収されると考えればとてもわかりやすいのではないでしょうか。(沖留めの場合はバスに乗ったら)

VALUE TRANSIT28の定番どころの路線でもである札幌(新千歳)ー大阪(関西)ー沖縄(那覇)のある日の運賃で算出してみます。

最安運賃15,300円獲得PPは2,507でPP単価は6.10円になります。
実際は札幌(新千歳)出発370円+大阪(関西)到着440円+大阪(関西)出発440円+沖縄(那覇)到着240円の合計1,490円のPFCが掛かります。
そうなるとチケット代合計は16,790円ですので、実PP単価は6.70円です。
0.60円PP単価を押し上げます。

「PP単価6円台前半だと意気揚々と予約したものの実PP単価は6円台後半だった。なんてガッカリ」となり得るのです。

実際にはあり得ないルーティングですが、PFCの高額な東京(成田)-名古屋(中部)-大阪(関西)なんてルートが良好なPP単価で販売されていたとしても嬉々として飛び付くのはとても危険です。ちなみにその場合PFCは驚愕の1,770円です。

まとめ

最低乗継時間と国内線旅客施設使用料について見てきました。
乗継時間については、若干の恥ずかしさよりも確実に乗継を履行する事・航空会社/空港スタッフ/周囲の客に迷惑を掛けないという観点から最低乗継時間は確実に守らなければなりません。
万一の事態への対応力が試されるのも修行と言えるかもしれません。
取り乱したり声を荒げるような醜態を晒すマネはせず、謎の自慢をぶちかましたり横柄な態度を示す事なく、しっかり落ち着いて自己完結できる事が上級会員としての最低限の身の処し方と言えます。

そしてPP単価に敏感なSFC修行僧です。
運賃の表記だけで小躍りする事なく、冷静にシミュレーションすることが大切です。
特に乗継の場合で複数の経由地が選択できる場合は旅客施設使用料を織り込んだPP単価を算出し比較するべきです。
なんか計算より財布から出て行ったなぁとならないようにしたいものです。

↓他の方のSFC/JGC修行・マイレージ関連ブログも参考になります↓
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コメント

  1. 森田 より:

    ここ謝っていませんか?

    先人の著名なブログでもよく取り上げられる修行例
    普通席で東京(羽田)-沖縄(那覇)の単純往復を17回繰り返せばプラチナステータス達成
    (1,476PP×2)×17=50,184PP
    この場合1区間のPFCは東京(羽田)出発290円・沖縄(那覇)到着120円。往復410円。
    これを17回繰り返すとなると、6,970円がPFCの合計金額です。

    往復410円でなく、片道410円
    従って17回(往復で34回)だと13,940円になるかと思います

    なにか、日帰り往復の場合は、往復でも1回分だけPFCを払う得策があるのでしょうか

    • 珍道中 より:

      コメントありがとうございます。
      計算を間違っていました。
      おっしゃる通り13,940円が正しい金額で、PFCに関して裏技的な策はございません。
      ご指摘いただきありがとうございます。記事を訂正させていただきました。