
JGC修行で搭乗することになるJALグループ便で使われる使用機材を紹介します。
ここで言うJALグループとは、日本航空(JAL)・ジェイ・エア(J-AIR)・日本エアコミューター(JAC)・北海道エアシステム(HAC)・日本トランスオーシャン航空(JTA)・琉球エアコミューター(RAC)の6社です。
細部は異なりますが、基本的に全て尾翼に鶴丸マークが描かれています。
修行の行程を構築する際に、JALのHPなどで予約画面と格闘することになりますが、その際に機種コードを知っておく事はとても便利で快適に予約作業を進める事ができます。
JALグループ便以外でJAL便名が付与されるFDA・AMXの機材については以下の記事をどうぞ。
運行会社
JALグループの6社は複雑に絡み合い、JAL便名で運行されるもの・自社便名で運行されるものが入り乱れ、航空連合であるワンワールドへの加盟も各社で違いがあります。
JAL・J-AIR・JAC・HACの4社間では運送共同引受を行い便名JAL便名での運行になりますが、JTAとRACに関してはそれぞれ自社便名で運行されます。
また、JALでステータスを獲得しようという場合にはあまり関係ありませんが、RACはワンワールドに加盟していません。
6社にもおよぶが故か、機体バリエーションも豊富です。
ボーイング・エアバスのみならず、エンブラエル・ボンバルディア・ATR・サーブと6メーカーからジェット機/プロペラ機を大小満遍なく揃えている印象です。
350系

2021年1月時点でJAL国内線仕様のラインナップ中最新の機材がA350-900(時刻表上の機種コードは359)です。
ワイドボディ機でファーストクラスを備える機体であり、主に羽田発着の幹線(新千歳・福岡・那覇)に投入されていて、確定発注数の内まだまだ未受領の機体も多く、今後さらに増える見込みです。
定員は、クラスJを多く備えたX01/X11レイアウトと、クラスJを少なめにし普通席を多くしたX02/X12レイアウトがあります。
両レイアウト共通でファーストクラスは2-2-2配列の2列で12席、クラスJは2-4-2配列でX01/X11で5~19列目までの計94席・X02/X12レイアウトでは5~12列目までの計56席です。
普通席は3-3-3配列で、X01/X11レイアウトで27~61列目までの計263席・X02/X12レイアウトでは20~61列目までの計323席です。(両レイアウト共に最後部は減少)
総定員はX01/X11が369席・X02/X12が391席となっていて、幹線の運行を担う主力機に相応しいキャパシティを誇ります。
機内設備も最新機らしく、座席クラスに関わらず機内Wi-Fi・個人モニター・電源/USBポートを備え必要充分な設備といえます。
777系

A350の導入まで主力の座を担っていたボーイングの大型ワイドボディ機です。
主力機の座を奪われたとは言え、ラインナップ中最大定員はこのボーイング777です。
このシリーズには777-300(機種コードは773)・777-200(機種コードは777)・777-200ER(772)の3バージョンがあります。
モデルライフとしては既に終盤に入っていて、350の運用拡大の他にコロナに因る需要減退を受け、燃費効率が悪い大型機であるこのシリーズはANA同様に退役が早められそうです。
2022年ごろにはなくなってしまう機体かもしれません。
座席は、773がクラスJが2-4-2配列(最前方は2-3-2)で1~12列目までの計78席、普通席が3-4-3配列(後方5列は2-4-2)の計422席、合計定員はなんと500人と、JAL国内線最大です。
777および772の運用は複雑で、純粋な国内線仕様機はW16レイアウトでファーストクラス2-2-2配列で14席、クラスJ2-4-2配列で82席、普通席3-4-3配列(後方5列は2-4-2)の279席で、合計定員は375席です。
777/772は一部路線に国際線仕様機が運用されます。
国際線仕様機はW63/W64レイアウトとなり、国際線ビジネスクラスであるJAL SKY SUITE IIIが26席とエコノミークラス286席のレイアウトです。
JAL SKY SUITE IIIは国内線運行時はクラスJの扱いとなりますが、ヘリンボーン配列のシートレイアウトに国際線ビジネスクラスならではゆとりある設備や空間を楽しめます。
787系
ボーイング製の中型ワイドボディ機。
ワイドボディなので2本の通路を持ち、複合素材の使用や電子ブラインド・比較的大型の窓など先進的スペックで、部品の多くを日本で製造していることでも知られるB787です。
機内環境も湿度・気圧など、前世代の航空機とは一線を画す快適性を誇る機体です。
JALでは、標準のB787-8・長胴型のB787-9を保有・運用していますが、国内線に使用するのは787-8(機種コードは788)です。
全座席で機内Wi-Fi・電源/USBポートが使用可能です。
座席配置はE21と呼ばれ、機体前方に2-2-2が1列だけの計6席ファーストクラスを配置しています。
その後ろ18列目までにクラスJを2-3-2配列で58席、さらにその後方に普通席3-3-3配列で55列目以降は2-3-2配列で計227席のトータル291席です。
最後方の2列(40/41列)は2-3-2の配列になります。
A350同様に幹線を中心に運用されています。
国際線仕様の787も時に国内線で運用される事があります。
その場合の座席レイアウトはE03レイアウトで、ビジネスクラス座席であるJAL SHEL FLAT NEOをクラスJとして扱い、2-2-2配列で30席装備されます。
普通席は2-4-2配列で176席で、合計206人乗りです。
767系

B787導入まで中型ワイドボディ機の主力だったボーイング767シリーズです。
主力の座を奪われつつあると言っても、まだまだ地方路線を支え頻繁に目にする機体です。
シリーズは767-300ER(機種コードは763)・767-300(機種コードは767)の二つがあり、さらに座席レイアウトのバリエーションが豊富です。
国内線用の763は国内線仕様のレイアウトで2種類、国際線仕様機の国内運用が2種類と、4種類もの座席レイアウトがあります。
国内線仕様でファーストクラスが設置されるA25で、2-1-2配列を1列だけで5席、中央の1人掛け座席(座席番号1D)は個性的です。
クラスJは2-2-2配列で7列の計42席配置し、その後方に2-3-2配列で普通席を205席あり、合計252人乗りです。
一方、同じ国内線仕様でもファーストクラス設定がないA27レイアウトは2-2-2配列のクラスJを7列42席、普通席2-3-2配列で219席を備えた261人乗りの仕様です。
767系の機材では一部、国際線機材を国内線運用する場合があります。
国際線ビジネスクラスであるJAL SKY LUXEやJAL SKY RECLINERを備える機体が国内線で扱われる例があります。
A41レイアウトでは2-2-2配列のJAL SKY LUXE SEAT(ビジネスクラス)をクラスJとして30席、普通席は2-3-2配列で207席設置されます。
A43レイアウトではビジネスクラス座席がJAL SKY RECLINERとなり2-2-2配列の30席、普通席は2-3-2配列で197席備えます。
A44レイアウトは、JAL SKY SUITE Ⅱになりスタッガードタイプの座席をクラスJとして扱い、計24席あり、普通席は2-3-2配列で175席
ヘリンボーン型のビジネスクラスシートに比べてしまうと劣りますが、クラスJとして搭乗すると考えれば充分すぎる贅沢かもしれません。
737系

ボーイング製の小型ナローボディ機です。
単通路で狭く感じはしますが、定員数の少なさが例え最後方の座席でも乗降時の時間が節約できるメリットがあります。
737の機種コードは738と73Hがありますが座席レイアウトや定員数等に違いはなくウィングレット付きの機体が73Hとなります。
しかし、時刻表上で73Hの表記は見つからず予約画面では現れる為、運用上は別機材としては扱っているものの、時刻表では738に統一しているものと思われます。
座席レイアウトは通路がやや左にオフセットされ個性的な見た目のクラスJは2-3配列で4列の計20席、その後方に3-3配列の普通席を145席備えます。
レイアウト図を見るとわかる様に、普通席最前列左側には2-3配列・最高方右側は0-2配列とイレギュラーな配列もあり、それはそれで楽しそうです。
エンブラエル系
ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエル製の航空機で、J-AIRが運行していて、機体側面には大きくJ-AIRの文字が描かれます。
機種は76席のエンブラエル170(機種コードはE70)と、クラスJ15席を含む95席仕様のエンブラエル190(機種コードはE90)があります。
E70は全席エコノミーのモノクラスとなり、2-2配列を19列設置されますが、最後列の19列目はリクライニングできない座席なので注意が必要です。
E90は、これまた左にオフセットした通路に1-2配列としたクラスJを5列15席配置し、その後方に2-2配列で20列80席の普通席が配置されます。
こちらは最後部の座席でもリクライニングは可能です。
J-AIRはJAL国内線の3割程度を運行していて、主要幹線には就航していないものの全国各地で搭乗の機会がありそうです。
ボンバルディア DHC8-Q400CC

RACが運行するカナダ製のプロペラ機で、機体後方がカーゴスペースとなるコンビ仕様です。
RAC運行ですから、お目にかかれるのは那覇を中心に沖縄県の各離島が中心となります。
離島間を結ぶ生活路線として貨物積載も担う為、定員数は少ないです。
座席は全席リクライニング不可の2-2配列の普通席を13列(1列目は右側のみの0-2配列)で計50席です。
サーブ340B

HACが運行するプロペラ機で、日本では以前はJACでも運用されていましたが2019年に退役し、現在ではHACのみの運用です。
そのHACもJAC同様、下に説明するATRに順次置き換え中で将来的には姿を消すモデルとなります。
HAC運行ですから、就航路線は北海道と一部東北の地方空港を結んでいて、北日本での回数修行であればこの機材の利用機会が多くなりそうです。
時刻表上の機種コードはSF3です。
座席は1-2配列とかなり小さく狭い印象を受けます。
全席普通席でリクライニングもできません。
総定員は36席で、最後列には観光バスの最後列中央席の様な個性的な座席も存在します。
ATR系
フランスとイタリアの合弁会社ATR社のプロペラ機で、全長の短いATR42-600(機種コードはATR)と長胴型のATR72-600(機種コードはAT7)があります。
AT7はJACが運行しており、鹿児島を拠点として奄美大島や世論等などの南西諸島に数行しています。
一方、ATRはJACの他にHACも運行している為、南西諸島の他にHAC路線の札幌(丘珠)を中心に北海道各地を結んでいます。
ATRの座席はこのサイズの機体では嬉しいリクライニング可能(最前部・最後部は不可)の2-2配列の普通席を13列で計48席です。
この座席レイアウトの目玉は最前列右側がまるで列車のボックス席の様な仕様がある事です。
この記事を作成している2021年1月時点の社会情勢を考えると難しいですが、感染症が治った暁には仲良し同士向かい合った座席でのフライトは楽しそうです。
打って変わってAT7はオーソドックスな座席レイアウトで、2-2配列の70人乗りです。
最後列だけがリクライニング不可なのは注意点と言えます。
機種一覧
機種コード | 機種 | ファーストクラス | クラスJ | 普通席 | 備考 |
359 | A350-900 | 12 | 94 | 263 | |
12 | 56 | 323 | |||
773 | B777-300 | – | 78 | 422 | |
777/772 | B777-200 | 14 | 82 | 279 | |
– | 26 | 286 | ※ | ||
788 | B787-8 | 6 | 58 | 227 | |
– | 30 | 176 | ※ | ||
767/763 | B767 | 5 | 42 | 205 | |
– | 42 | 219 | |||
– | 30 | 207 | ※ | ||
– | 30 | 197 | ※ | ||
– | 24 | 175 | ※ | ||
738/73H | B737-800 | – | 20 | 145 | |
E90 | エンブラエルE190 | – | 15 | 80 | |
E70 | エンブラエルE170 | – | – | 76 | |
AT7 | ATR72-600 | – | – | 70 | |
ATR | ATR42-600 | – | – | 48 | |
SF3 | サーブ340B | – | – | 36 | |
DH4 | DHC8-Q400 | – | – | 50 | |
※国際線仕様機材の国内線運用 |
まとめ
JGC修行の際、FOPさえ沢山もらえれば機種など関係無いのかもしれませんが、意外と快適さや乗降にかかる時間など違うものです。
乗降時間に関しては小型機が比較的短く、大型機が長くなる傾向があります。
ただし小型機の場合、地方路線で乗客数が少ない場合などに使われる為、沖留めバス移動となる罠が隠れている事があるので、手放しで喜ぶのは危険です。
そして、小型プロペラ機の一部では機体後方からの乗降になる機種もあり、乗降時間短縮の為に前方の座席を狙うのにも注意が必要です。
一撃でFOPを大量獲得できるファーストクラスは座席数・設定路線も少なく予約は争奪戦です。
予約作業中に瞬時に座席をイメージし座席指定する瞬発力がより良い修行体験を呼び寄せます。
また、個性的な座席にも魅力を感じます。
JGC修行でせっかくたくさんの搭乗をするのですから、通常とは毛色の違う座席も味わってみたいところです。



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